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この法改正について、1/19に司法書士会の研修がありましたので、受講してきました。
きょうは、研修で学んだことをいくつかご紹介します。
- 後見開始の申立ては、裁判所の許可がなければ取り下げることができない。
わたしもお客さまから、質問を受けたことがあります。
「認知症の親の成年後見の申し立てで、自分を『後見人の候補者』として申し立てをするけど、もし、認められなかった場合、成年後見の申し立てを取り下げることができますか?」と。
改正前はできましたが、改正後は、「裁判所の許可」が必要です。裁判所が認めなければ取り下げることができず、裁判所が別の人を成年後見人に選ぶことになります。 - 未成年者である子も、意思能力があれば(おおむね中学生以上?)、子の身分に影響がおよぶ事件において、自ら手続きをすることができる。
- 遠方の方も手続きに参加しやすくするため、電話会議システムやテレビ会議システムを利用できるようになった。
- 調停手続きで裁判所に提出する書類を非開示にするように申し出ることができる。
たとえば、DVの被害を受けている人などで、相手方に知らせたくない情報がある場合があります。
そのとき、「非開示の希望に関する申出書」に必要事項を記入して、提出書類の前にその申出書をホッチキスで留めて提出すればよいそうです。
(ただ、必ずしも相手方に閲覧・コピーを許可しないわけではないようです。) - 調停手続きで、相手方との同席が難しい場合は、事前に申し出ることができる。
当事者双方の待合室は別ですが、原則として、同席で開始時の手続き説明を行い、その後、交互に事情を聞き、期日の終了時に再度同席で次回の日程調整などを確認をします。
DV被害者などは、相手方と顔を合わせたくない人もいらっしゃるでしょうから、その場合は、その旨申し出ることができるようです。
※近々、福岡家庭裁判所のホームページに、おもな家事調停申立書の書式が公開されるとのことでした。
▶http://www.courts.go.jp/fukuoka/saiban/tetuzuki_katei/tetuzuki_osirase/index.html
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